カテゴリー「古楽・バロック音楽」の108件の記事

2018年12月11日 (火)

バロック・オーケストラのフランス、イタリア、ドイツ等のお国ぶりの音

楽器によって、演奏者によって現代ヴァイオリンの音色は違います。

現代ヴァイオリンに例えれば、ヤッシャ・ハイフェッツの弾くヴァイオリンは、ストラディヴァリウスのドルフィンという楽器ですが、実に渋い音色がします。

一方、渋い音では、前に、ヘンリク・シェリングというバッハの権威であるヴァイオリニストがいました。この人のヴァイオリンの音色も中低音は渋く、ハイフェッツの音色に似ていますが、高音域は、かなりきつく、突き刺さるような高音がでるときがあります。

では、アルトゥール・グリュミオーというモーツアルトのヴァイオリン協奏曲やヴァイオリン・ソナタで有名だった、ベルギーの音楽院出身の彼のヴァイオリンの音色は、きらきらと光り輝くような音色です。

では、昔のイタリアのイ・ムジチ合奏団のコンサート・マスターであった、ヴァイオリンのフェリックス・アーヨの音色は、イタリアを思わせる、赤い甘い音色でした。

一番特徴的な現代ヴァイオリンのソリストの音色の例を挙げましたが、このように現代楽器のヴァイオリンでもこんなに演奏者と楽器によって異なるのがわかると思います。

もちろん現代オーケストラでも、素のままの音では、パリ管弦楽団の音はフランス的な明るい音色ですが、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の素の音は、ドイツ的な黒い音です。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の素の音は、ウィーン的な明るくしかも歌い上げるときの弦は甘い輝かしい音色です。

こうした、お国ぶりによるオーケストラの素の音色の違いがありましたが、今では、訓練によって、ベルリン・フィルが、ウィーン・フィルの甘い音色を出したり、パリ管のような明解な明るい音色も出すことができる時代です。

これだけ素の音の音色が異なる超一流の現代オーケストラが数々あります。

楽器によって、演奏者によって、オーケストラによって音色が変わることが、クラシック音楽を聴く醍醐味であり、指揮者がどのように、素の音のままか若しくは、自分の色に染め上げるかによって音色が、変わっていく場合があります。

このように演奏者によってまたは、その現代ヴァイオリンが、どこの国のどのような楽器なのかによってイタリア的な音色やドイツ的音色やウィーン的音色やフランス的な音色等変わっていくのは当然のことでしょう。

またいつものように前置きが長くなってしまいました。ごめんなさい。

これは、当然バロック音楽演奏でも同じです。バロック音楽は、バロック・ヴァイオリンであって、19世紀に大きな音を出すために改造されたストラディヴァリ製作のストラディヴァリウスは、何億円もしますが、改造されていない、オリジナルのバロック・ヴァイオリンやそうした元のストラディヴァリ製作のバロック・ヴァイオリンなどのコピー楽器を使うのが、普通のこととなっています。

この場合もヴィヴァルディのヴァイオリン演奏の録音は当然のことながらあるわけがありませんが、その当時のヴェネツィアのピッチは相当に高かったのは、イタリアに残されているバロック・ヴァイオリンのピッチが高いことで如実にわかります。

そうしたヴァイオリンで弾くヴィヴァルディのバロック・オーケストラとバロック・ヴァイオリンでは、現代に近いピッチであって、輝かしいイタリア的な赤黒い音色です。実際には、超絶技巧のバロック・ヴァイオリンのソリストでもある、カルミニョーラのアンドレア・マルコン指揮のベニス・バロック・オーケストラもそうしたイタリア的な音色をだします。

では、フランスではどうでしょう。フランスのジャン=クロード・マルゴワールという指揮者がいますが、彼の指揮によるヘンデルの水上の音楽は、フランス人の団体であろう、ラ・グランド・エキュリー・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワによる演奏では、当時の演奏方法のイネガル奏法を用いて明解なフランス的な舞曲としてフランス風な粋なヘンデルを演奏している録音があります。

ドイツでは、前に記した、ベルリン古楽アカデミーのようにドイツ的な音色を持つバロック・オーケストラもあります。バロック・ヴァイオリンが、ドイツの当時のシュタイナーのオリジナル楽器なのかもしれません。

もうニコラウス・アーノンクールには触れませんが、そのバロック・オーケストラである日本表記で、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスは、ウィーンに伝わるウィーンの古楽器を使い演奏しているので歌い上げるときにウィーン的な甘い切ない音色もします。モンテヴェルディ作曲のポッペアの戴冠では、オットーネが、ポッペアに語る思いをウィーン・コンツェントゥス・ムジクスは、甘く切なく歌い上げていきます。

このように例を挙げると枚挙にいとまがありません。

でもバロック・オーケストラも現代オーケストラと同様にそのお国ぶりによって、音色も変わっていきます。もうバロック・オーケストラは、貧弱なアマチュアチックな演奏から変わり、一流のバロック・オーケストラが、数々創設されていて、現代オーケストラ同様、テクニックに不満を持つようなことはないようになりました。

時代は変わり、バロック音楽も新しい方向へ向かい始めました。

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2018年12月 6日 (木)

ヨーロッパのバロック期の宮廷舞踊を見てみよう!

ここ一か月ばかり、YouTubeでヨーロッパの舞踊というものを、映像で見て、非常に興味深く楽しみました。

 

古楽情報誌「アントレ」は、もうすぐ廃刊となりますが、それによるとバロック期の舞曲に合わせた宮廷舞踊というものがあり、その当時のドレスを着て、その当時の雅なスタイルで舞踏会のように踊るための教室が日本にもあるそうです。

 

そうしたものの存在は知っていましたが、どのような舞踊なのか見たことはありませんでした。

YouTubeでは、外国人がその当時の衣装を着てバロック期の舞踏会の再現としての映像がありました。

 

ヘンデルの作品「水上の音楽」で当時の衣装とかつらをかぶり演奏しているバロック・オーケストラで、かつらとその当時のドレスの衣装をまとった多くの男性と女性の宮廷舞踊が見られます。

パート1からパート8までありますので、全部見たい方は、「すべて再生」をクリックしてもいいし、試しに見たい方は、パート8だけでも見ると面白いと思います。いずれもYouTubeです。

https://www.youtube.com/results?search_query=english+baroque+festival

 

 

 

 

舞踊を芸術に高めたのは、フランスのブルボン王朝期のルイ14世で、アカデミーを作り、フランス独自の芸術として、バレを作りました。17世紀から18世紀にかけてのことでした。

映画「王は踊る」でもご存知の通り、イタリア人である、舞踊家であり、作曲家であった、ジャン・バティスト・リュリは、フランスに渡り、アカデミーにも尽力し、バレを創造したことだと思います。

 

リュリに傾倒していた、ルイ14世は、若い時には太陽の衣装でバレを踊ったことでも太陽王とよばれましたが、若い時のコメディ・バレでもその後のトラジディ・リリク(抒情悲劇)でもパッサカーユやシャコンヌでは、芸術的なバレは不可欠なものでした。

 

リュリの作品でファエトンという作品があります。その盛り上がる場所であるシャコンヌの場面でのバレは以下をクリックするとその当時の衣装での男性のバレが見ることができます。ファエトンのシャコンヌとして当時人気があり有名なのでクラヴサンへの編曲もあります。

同じくYouTubeです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=EVM0lpxANEg&index=3&list=RD8f9qxMvbfcs

 

 

また、ルイ14世のための最後のリュリの作品であるアルミードのパッサカーユの部分で当時の衣装で女性の踊るバレが見られます。こちらもファエトン同様に、有名なパッサカーユで、クラヴサン用に編曲されて、あのマルタンも弾いている映像も、YouTubeにもあります。

同様以下をクリックしてください。YouTubeです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=mVnksxk5gyE

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古楽の楽しみ~その案内の方々~

古楽の楽しみで、関根敏子氏の案内の~フランソワ・クープランの作品を中心に~というフランスのバロック音楽の回が終わりました。

 

今朝は、鈴木優人氏の案内による、バッハの教会カンタータの62番「来たれ、異教徒の救い主よ」です。昔のバッハ作品番号、BWVでも62です。教会カンタータのバッハ作品では、まず、BWV1が、教会カンタータの1番です。「暁の星はいと美しきかな」です。(角倉一郎著 バッハ 音楽之友社参照)BWVでは、最初に教会カンタータの作品をすべて載せているので、BWV1からBWV200「われ、かの名を告げん(断片)」までは、BWVの番号と教会カンタータの番号が一致します。

 

来週の月曜日からの古楽の楽しみは、今谷和徳氏の案内による、ヘンデルの回です。今谷氏は、もうLP時代から、古楽の解説をされており、多くの古楽のライナー・ノートの解説だけでなく、著書もあり、古楽研究の学者で、様々な大学で教えておられます。

月曜日から、ヘンデルのローマ時代の作曲作品(1)から始まります。

 

美しいヘンデルの音楽はよいですね。

 

確かヘンデルは、ローマで、アルカンジェロ・コレッリと会っています。

ヘンデルののちの合奏協奏曲作品3や作品6は、コレッリの形式の影響を受けていると思います。

 

ナポリでは、のちのヘンデルのイタリア・オペラやオラトリオでのレシタテイーボとアレッサンドロ・スカルラッティによるダカーポ・アリアの影響を受け、だいたいのバッハの教会カンタータと同じくレシタテイーボとダカーポ・アリアで作品が成り立っています。

 

来週月曜日からの古楽の楽しみ、ヘンデルの回もなるべく聴いていきたいと思います。

 

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2018年11月29日 (木)

古楽の楽しみ~フランソワ・クープランの音楽を中心に~ (18)

その昔、レコードアカデミー賞音楽史部門で評価された、ジョルディ・サヴァールのマラン・マレーのヴィオール作品録音の5枚組CDがありました。

結局、全部は手に入れられませんでしたが、第五巻の「膀胱切開手術の図」を含む第五巻だけは買いました。

全部欲しかったのはやまやまですが。

しかし、フランソワ・クープランのヴィオール曲集というものがあるのですね。

クラヴサン作品ばかりだと思っていたのですが、なかなか、マレーとは違いもあるし、様々な、録音があって驚きました。

古楽の世界は、様々な研究発見や録音の成果による研究が進んで、驚くばかりです。

やはりこれからは、バロック音楽が、昔よりも少しずつ、市民権を得ていくと思います。

フランソワ・クープラン作曲「パッサカリアあるいはシャコンヌ」は、初めて聴いた音楽です。

でもよい作品ですね。

NHK発表によるご案内を付記します。

ご案内:関根敏子/マレーのヴィオール曲集第5巻から、その3年後に出版されたフランソワ・クープランのヴィオール曲集から、それぞれお送りします。

「ヴィオール曲集 第5巻 組曲 ホ短調から 前奏曲、サラバンド」
マレー:作曲
(ヴィオール)ジョルディ・サヴァール、(クラヴサン)トン・コープマン、(テオルボ)ホプキンソン・スミス
423秒)
ALIA VOX AVSA 9872

「ヴィオール曲集 組曲第1番 ホ短調から 前奏曲、アルマンド」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)ヴィーラント・クイケン、(ヴィオール)上村(うえむら)かおり、(クラヴサン)ロベール・コーネン
612秒)
ACCENT ACC10088

「ヴィオール曲集 組曲第1番 ホ短調から クラント、サラバンド、ガヴォット、ジーグ」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)平尾雅子(ひらお まさこ)、(クラヴサン)アリーン・ジルベライシュ、(リュート)坂本龍右(さかもと りょうすけ)
1015秒)
ALM RECORDS ALCD1163

「ヴィオール曲集 組曲第1番 ホ短調から「パッサカリアあるいはシャコンヌ」」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)ロレンツ・ドゥフトシュミット、(ヴィオール)ウルリケ・ベッカー、(クラヴサン)ボプ・ファン・アスペレン
505秒)
Pan Classics 10174

「ヴィオール曲集 組曲第2番 イ長調から 前奏曲、フュゲット」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)酒井淳(さかい あつし)、(ヴィオール)マリオン・マルティノー、(クラヴサン)クリストフ・ルセ
525秒)
Aparte AP 166

「ヴィオール曲集 組曲第2番 イ長調から「葬儀」」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)酒井淳、(ヴィオール)マリオン・マルティノー、(クラヴサン)クリストフ・ルセ
653秒)
Aparte AP 166

「ヴィオール曲集 組曲第2番 イ長調から「白いシャツ」」
フランソワ・クープラン:作曲
(ヴィオール)酒井淳、(ヴィオール)マリオン・マルティノー、(クラヴサン)クリストフ・ルセ
504秒)
Aparte AP 166

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2018年11月28日 (水)

古楽の楽しみ フランソワ・クープランの作品を中心に(17)

今朝の古楽の楽しみでは、フランソワ・クープランの作品を中心にということで、クラヴサンの曲等がかかりました。

 

かつて、クリストフ・ルセは、フランソワ・クープランのクラヴサン作品の全集を録音しました。

 

その前の時代には、ローランス・ブーレイが、全集の録音をしました。

 

ルセは、マルタンとは違い、もっとすっきりした、クープラン像を魅せてくれています。

 

トウキョウ・バロック・トリオでは、クリストフ・ルセがクラヴサン、上村かおり氏がヴィオラ・ダ・ガンバ、寺神戸亮氏が、バロック・ヴァイオリンでした。

 

オリヴィエ・ボーモンのクラヴサン演奏もよいですね。

 

クラヴサン音楽の演奏は、すぐれた演奏者の演奏もよいですが、楽器が変わるごとに新しい調べを聴くこともできるという点も興味深いですね。

 

現在放送中を聞いています。古楽好きの皆さん、NHK FMの古楽の楽しみ、聴いていますか。

 

NHK 発表のご案内を付記します。

 

 

 

ご案内:関根敏子/フランソワ・クープランが62歳で発表した「クラヴサン曲集第4巻」から、作曲者の人間関係や、当時の宮廷文化を思わせる作品の数々をお送りします。

「クラヴサン曲集 第4巻 第20組曲から「王妃マリー」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)クリストフ・ルセ
303秒)
Harmonia mundi HMX 2901445.46

「クラヴサン曲集 第4巻 第20組曲から「クルイイあるいはクープリネット」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)クリストフ・ルセ、(ヴィオール)上村かおり
412秒)
Harmonia mundi HMX 2901445.46

「クラヴサン曲集 第4巻 第21組曲から「クープラン」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)クリストフ・ルセ
430秒)
Harmonia mundi HMX 2901445.46

「クラヴサン曲集 第4巻 第22組曲から「うなぎ」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)オリヴィエ・ボーモン
258秒)
Warner Music ERATO 2292-45824-2

「クラヴサン曲集 第4巻 第22組曲から「交差するメヌエット」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)オリヴィエ・ボーモン
203秒)
Warner Music ERATO 2292-45824-2

「クラヴサン曲集 第4巻 第22組曲から「手品」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)オリヴィエ・ボーモン
221秒)
Warner Music ERATO 2292-45824-2

「クラヴサン曲集 第4巻 第27組曲から「芥子(けし)」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)フレデリック・アース
528秒)
Alpha ALPHA173

「クラヴサン曲集 第4巻 第27組曲から「中国人」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)フレデリック・アース
313秒)
Alpha ALPHA173

「クラヴサン曲集 第4巻 第23組曲から「編み物をする女たち」」
フランソワ・クープラン:作曲
(クラヴサン)オリヴィエ・ボーモン
219秒)
Warner Music ERATO 2292-45824-2

「新しいクラヴサン曲集から「編み物」」
ラモー:作曲
(クラヴサン)ピーテル・ヤン・ベルデル
216秒)
Brilliant BRILLIANT 95250/24

「新しいクラヴサン曲集から「エンハーモニック」」
ラモー:作曲
(クラヴサン)三和陸子
621秒)
Waon Records WAON CD-230

「新しいクラヴサン曲集から「めんどり」」
ラモー:作曲
(クラヴサン)ウィリアム・クリスティ
510秒)
KING Records KKCC-9

 

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2018年11月26日 (月)

フランソワ・クープランの音楽を中心に(15)古楽の楽しみ

なんとも懐かしい、フランソワ・クープランの諸国の人々です。

その昔、諸国の人々の全曲のLP を買いました。テレフンケン・レーベルでした。

ちなみにアムステルダム四重奏団は、ブリュッヘンとバロック・ヴァイオリンのヤープ・シュレーダーとチェロはアンナー・ビルスマ、チェンバロはグスタフ・レオンハルトです。

クアドロ・アムステルダム(アムステルダム四重奏団)のような演奏しかなく、今、放送中のジョルディ・サヴァールのエスペリオンXXのような、バロック・ヴァイオリンの音は聴けませんでした。

 

エスペリオンXXのような素晴らしい録音が今はあります。

フランソワ・クープランの諸国の人々の録音も、素晴らしい録音があり、うれしい限りです。

 

しかし、エスペリオンXXは、良いですね。

 

もう様々な団体による録音があります。

クアドロ・アムステルダムの録音とは、隔世の感があります。

以下、NHKの案内を付記します。

 

 

 

 

 

 

 

ご案内:関根敏子/今週は、前回に引き続き、生誕350年のフランソワ・クープランの音楽をご紹介します。1日目は1726年に出版した曲集「諸国の人々」から

「「諸国の人々」フランス人から ソナード」
フランソワ・クープラン:作曲
(合奏)クアドロ・アムステルダム
625秒)
TELDEC WPCS-4201/2

「「諸国の人々」スペイン人から アルマンド、クラント、第2クラント、サラバンド、ジーグ・ルレ」
フランソワ・クープラン:作曲
(合奏)エスペリオンXX(にじゅう)、(指揮)ジョルディ・サヴァール
1151秒)
ASTREE E7700

「「諸国の人々」スペイン人から ガヴォット、ロンドー、ブーレとドゥーブル、パッサカリア」
フランソワ・クープラン:作曲
(合奏)エスペリオンXX、(指揮)ジョルディ・サヴァール
1138秒)
ASTREE E7700

「「諸国の人々」ピエモンテの人々から ソナード」
フランソワ・クープラン:作曲
(合奏)ラ・サンフォニー・デュ・マレー、(指揮)ユーゴ・レーヌ
818秒)
Musique A La Chabotterie 605018

「「諸国の人々」ピエモンテの人々から クラント、ロンドー、ジーグ」
フランソワ・クープラン:作曲
(合奏)ムジカ・アド・レーヌム、(指揮)ジェド・ウェンツ
529秒)
BRILLIANT CLASSICS BRL92178

 

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2018年11月10日 (土)

最近のフランスのクラヴサン演奏家~ベアトリス・マルタンその演奏~

なかなかこのブログは、更新しないので申し訳ないのですが、今日は書きます。

 

フランスでは、クラヴサンとイタリアではチェンバロとドイツ・イギリスではハープシコードと呼びますが、このマルタンという女流、クラヴサン演奏家、この素晴らしい演奏に感嘆しています。

 

 

何しろ情熱的な熱情を持ち、フランス・バロック音楽でも今までのレオンハルトにも師事したようですが、そうしたものから抜け出て、フランス・バロック音楽を自分のものとして対峙しています。

 

リュリ作曲のアルミードのパッサカーユ(パッサカリア)のクラヴサンへの編曲もありますが、そうした演奏でもただありきたりの演奏ではなく、右手と左手の演奏を少しずらして、その演奏を平凡にあっさりと弾こうとはしません。そのアルミードのパッサカーユというものその歌詞を見るとルイ14世の気持ちがわかると、その歌詞がわかると神妙な気持ちになります。が、彼女はそのパーサカーユの部分を実に意味あり気に弾いていきます。

 

テクニックのある人ですが、それよりも音楽を最優先しているようです。彼女の前にはまずバロック音楽あるのみなのです。

実際に映像を見てみると、髪は束ねてしまいます。長い髪があると、情熱的に弾くので、長い髪は邪魔になってしまいます。演奏に邪魔になるので、常に髪は束ねてしまいます。彼女の中では音楽を演奏することが第一なので、長い髪は邪魔になるのでしょう。

 

ほかにもクープランの作品等の演奏がありますが、非常に内容の濃い、演奏への傾倒度が感じられます。そうした意味では、女性的な軽やかな演奏というまえに、彼女のバロック音楽への情熱的とも言える演奏は、ただ、テクニックだけではない、今までに、男性クラヴサン演奏家、いろいろと影口のある方ではありますが、ロヴェール・ヴェイロン・ラクロワのタイプといえましょう。

 

実際にJ.S.バッハのイギリス組曲を弾いている場面もあります。とにかくテクニックのある人なので、バッハの作品に対していても、良いものはどんどん弾いていきます。フランス人でありながら、これほど、テクニックと音楽性を必要とする、J.S.バッハに果敢と対峙するところがマルタンの気性です。もっとも難解なイギリス組曲の第三番の序曲も難なく弾いていきます。

 

かつては、J.S.バッハのイギリス組曲というと、現代チェンバロのアンマー・チェンバロを使った、ヘルムート・ヴァルヒャが有名です。びっちりと弾かれた集中力ある演奏でした。

またグスタフ・レオンハルトによる、古楽器によるチェンバロのイギリス組曲全曲録音もあります。

でも、フランス人であるマルタンは、集中力の必要なところでは、びっちりと弾きますが、フランス人であるところのコケティシュなところが、随所に出ていて、興味深いのです。

 

フランス語は、私は詳しくはないのですが、そうした中でも、フランス語のイントネーションであるちょっとした、語の切り具合等、ドイツの作品でも、良きフランス語、フランス人であるところのドイツ作品への良い意味でのフランス的性格を如実に発散していてこうした演奏も大変に興味深いです。

 

前にも書きましたが、レオンハルト、アーノンクール、ブリュッヘンの後の世代はこうした、自分の感性でバロック音楽を演奏していく演奏が出ていくことに、非常な期待感を寄せています。

 

ちなみに

beatrice martin harpcicohrd    YouTubeに入れて検索すると出てきますので、是非とも聴いてください。

 

それとアメリカのポップス歌手で同名のベアトリス・マーティンという人があるので気を付けてください。

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2018年9月 7日 (金)

神戸愉樹美ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団

プロデューサーである宇田川貞夫氏に続いて、もう一人だけ日本のガンビストを紹介しましょう。

神戸氏は、ヴィオール合奏のための合奏団を持っています。神戸氏は、ヴィオラ・ダ・ガンバ、バス・ガンバを弾くことがありますが、4人でヴィオール合奏を行います。

ヴァイオリンの音程に匹敵する、トレブル・ヴィオールやテノール・ヴィオールで、4人で合奏を行います。

ヴァイオリン族による弦楽四重奏は第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロですが、ヴィオール族の合奏もルネサンス期には、はやりました。

ヴィオール族の合奏は、ヴァイオリンのような小さな楽器でも、足に挟んで、手の甲を裏にして弾くトレブル・ヴィオールのような、今ではめったに見られない合奏が見られます。

ヴィオール族だけによる合奏は、イギリス・ルネサンス期にホール・コンソートと呼ばれました。

ほかにリコーダーなどの楽器が入る場合には、ブロークン・コンソートと呼びます。

こうした合奏は、イギリス・ルネサンス期のトマス・モーリーやジョン・ダウランドによる楽しい曲が多くあり、一般の人も家庭で弾いていました。

そうした、音楽を聴くと、CDでは、ヴァイオリン族だと思う方もいるでしょうが、それをまじかで見ると、ヴァイオリン族の弦楽四重奏団ではなく、ヴィオールだけによる4人の合奏なので、驚かれる方が多いと思います。

そうした、ヴィオール合奏を見る機会というものはなかなかないので、一度見られると興味深いと思います。

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ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、指揮者、宇田川貞夫氏の思い出

横浜育ちの宇田川氏は、私が高校の頃、よく横浜で演奏会を開いていました。

私も、大学時代にも先輩を連れて横浜のイギリス館に行った覚えがあります。

J.S.バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタを演目の一つにされていました。

最近では、バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ全曲を演奏していました。

宇田川氏とは、前に、話したことがありました。

 

氏はヴィオラ・ダ・ガンバだけではなく、ヴィオローネも弾けます。

昔、新聞に載っていた、古楽集団という団体を立ち上げて、指揮もなさるようでした。

今現在もヴィオラ・ダ・ガンバだけではなく、指揮活動をされています。

 

ヴィオラ・ダ・ガンバを習うためには、大橋敏成氏に師事しています。そのあとベルギーの音楽院に留学しました。

あの当時ヴィオラ・ダ・ガンバを習うためには、日本では大橋敏成氏しかいなかったのです。

前に書いた平尾氏も大橋敏成氏に習い、留学しています。

 

宇田川氏は、ソロでの活動のほか、指揮活動もします。

ヴィオラ・ダ・ガンバは、非常に巧かったのが、忘れられません。

 

「宇田川館」で検索すると宇田川氏のホーム・ページが出てきます。

横浜に住んでいた頃のさとちゃんの宇田川氏の演奏は、忘れられない思い出の一つです。

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2018年8月25日 (土)

大きな仮説 バロック・イタリア・オペラの歌唱法~カストラートの歌唱法~

これは、仮説の段階で、私こと、さとちゃんの仮説にすぎませんが、重要なことなので記したいと思います。

前回、ジョーン・サザーランドが、ロッシーニ当時のイタリア・オペラの歌唱法を体現したソプラノ歌手であろうと、書きました。

これは、夫で指揮者のリチャード・ボニングの指導を受け研究成果をサザーランドが、その再現を行いました。

ところで、ロッシーニと言えば、もう少し遡れば、もうイタリア・バロック・オペラが、待っています。

カストラート(去勢歌手)は、少年のうちに去勢して、ソプラノの声を保ちつつ、大人になるのですが、手術後、音楽院に通い、何年もの間、カストラートとしての訓練を受けて多くのカストラートの手術後の少年たちを教育し、歌手として育てていきます。

映画「カストラート」の原作邦訳本、アンドレ・コルビオ著、齋藤敦子訳の「カストラート」の解説の中でこのような記述があります。

アンガス・ヘリオット著「カストラートの世界」ファリネッリのライバルだった、名カストラート、カッファレッリの日課が紹介されています。

午前 一時間 難しい歌唱パッセージの練習

    一時間 国語

    一時間 鏡の前での歌唱練習、身のこなし方と演技の練習、歌う時にしかめ面をしないための練習

午後  30分 音楽理論

 30分 対位法の五線紙上での練習

    1時間 国語 ※      ※そのまま引用※

その他にも、ハープシコードの練習、賛美歌やモテットの作曲などにあてられていたのだそうです。

彼らのベル・カント唱法の技術、ソルフェージュの知識は、かなり高度なものだった。

実は今でも声楽における基本的な唱法であるベル・カントやソルフェージュは、スカルラッティとポルポラによって17世紀初頭にカストラート用の教科書編集されたものだったのだ。それが、1786年にパリで出版されて世界中に広まったのである。※

     ※そのまま引用※ 

バロック音楽を聴いている方は判るかもしれませんが、その当時のフランスでは、カストラートの舞台上演は禁止です。カウンターテノールは認められてはいました。

その後ナポレオン時代に一時期フランスとイタリアでもカストラートを禁止してしまいます。

最後のカストラートのために書かれたオペラは、マイヤベーヤの「エジプトの十字軍」(1824)で、まえにCD化された、「カストラートの時代」では、最後のカストラート、アレッサンドロ・モレスキのモーツァルトの作品の録音が、入っています。

このCDの最後にモレスキの実声が、録音されています。1902年録音で録音状態は悪いですが、多分SP録音と思われます。  

その声は甘く、女性とも男性ともいえない一種独特な味を持つものでした。

あまりに、前振りが長すぎたようです。

バロック期の時代、カストラートは、現在のアイドル歌手のような存在でした。

去勢の結果背丈は、非常に高く、肌は女性のように滑らかで、ソプラノの声域を持つアイドル歌手のようなものでした。

映画、原作をみると、女性の追っかけともいえる若い女性が、情交を交わす場面が多くあります。そうした、一般の若い女の子が、イタリア以外にもいることは確かでしょう。

イギリスに渡ったファリネッリは、ヘンデルの国王派と対する皇太子派として、ポルポラの作曲したイタリア・オペラを歌うのですが、一般の抱かれたい女性は、妊娠の危険はないので、貴族の婦人でも、気兼ねなく浮気もできます。

そうした貴族ではない、一般の追っかけが、イギリス人でもイタリア語がわかるでしょうか。貴族であっても、フランス語は話せてもイタリア語がわかるでしょうか。

ここでジョーン・サザーランドの歌唱がでてきます。

聴いていると美声ですが、イタリア語が明瞭には聞き取れません。

来日時、サザーランドは、イタリア語が明瞭でないとの評論家の批評があり、日本の評論家には不評でした。

でもイタリア語は明瞭ではなくとも、美声の点で聴いてみると、大変にコントロールされたものです。もしこの歌唱法が、カストラートの訓練された美声に酔いしれたいなら、イタリア語なんてわからなくともよいのではないかと思うのです。

これは、仮定の話ですが、ファリネッリのような、カストラートが歌っている歌唱法が、その当時の歌唱法ならば、それが、ジョーン・サザーランドの歌唱法と言ってもよいかもしれません。

そうなってくると、その当時の音楽を現在に再現する、オリジナル主義によるバロック・イタリア・オペラ上演に普通の19世紀なかばのデュプレのような大きな美声で、イタリア語の胸声によるイタリア語の明解な歌唱法というものは、現在の21世紀まで続く歌唱法で歌うオペラ歌手というものは通用しなくなってしまいます。

実際にファリネッリの録音はありませんし、もう聴くことはできません。

ところで、器楽に関しては、もうバロック・ヴァイオリンやその他のヴィオールにしろどんな楽器でも古楽奏法にしても徹底されてもう何の不安もなく聴いていられます。

実際のバロック・イタリア・オペラというもの、果たしてどのような歌唱だったのか、前に書いた、エマ・カークビーの歌唱で分かったつもりになっても、そのような生易しいものではないのではないかというのが、今回の私の意見です。

ならば、ジョーン・サザーランドのような歌唱法で歌うためには多くの訓練が必要でこれが、事実ならば、一般の国立歌劇場で、一般の歌手が、ヘンデルのイタリア・オペラを歌うことは、オリジナル主義に立ち返った場合、何の意味も持たないともいえるかもしれません。

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