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2018年5月26日 (土)

バロック音楽やルネサンス音楽や中世の音楽と一般のクラオタの世界

何度も言っていますが、これから面白い音楽としてのバロック音楽をぜひとも皆さんに聴いてもらいたいのです。

西洋音楽史において、古典派のモーツァルトやハイドンの交響曲を聴くのも良いでしょう。でも、その前の時代の西洋音楽史の音楽の時代は、聴くに値しない音楽ではなく、むしろこれが、西洋音楽史の一つの時代でもあるのです。

 

何度も先輩にも言いましたが、バロック音楽やルネサンス音楽の時代そして中世の時代の楽譜として残っているものは、最初は最終的にはグレゴリオ聖歌です。その時代から西洋音楽史が始まっているので、高々20世紀の初頭の今から150年ほどのハイドンやモーツァルトから後期ロマン派までですべてを語ろうとするから無理があるのです。

そのあとには、20世紀の音楽ととして1920年代から1930年代の新ウィーン学派や戦後の1950年代の前衛としての現代音楽があります。

 

音大生が、バッハの対位法がわからないとう言う人が九割にも及ぶことは、驚異的なことです。きっと、クラシックオタクと言われる方々は、ハイドンから、西洋音楽史が始まっていると思い込んでるのかもしれません。

 

 

フーガ的なバッハの理解にはまた演奏者は、楽譜から、様々な声部を引き出し、弾いていけばよい演奏と言えるのですが、そのバッハの二声のインヴェンションと三声のシンフォニアでさえ、音大生には、声部を引き分けることは実際には困難なのです。

 

これでは、対位法などわからずベートーヴェンのピアノ・ソナタを弾くには困難と言える、29番のハンマー・クラヴィーアも味わい深く弾くことはできません。

だから、音楽性を持ったピアノ音楽が、弾けないのです。すべて、西洋音楽史は、温故知新の音楽です。

 

古い音楽を捨て去り、新しい音楽の時代を造るにしても、新しい音楽は、今までの西洋音楽史をある程度踏襲したものです。

 

バロック音楽の時代の前の時代のルネサンス音楽の時代には、皆川達夫氏の言うところの多声部音楽、磯山雅氏言うところによる多旋律音楽が、幅を利かせていて、ブルゴーニュ学派としてフランスの北のブルゴーニュ公国の作曲家が、活躍していました。

 

でもルネサンス音楽は、多くの声部を持ちながらも、歌詞の強い表現力を持ったものではありませんでした。

 

そこでイタリアのフィレンツェのカメラータ(音楽でいう仲間たち)の作曲家たちが、1600年の前後から、作曲家のカッチーニなどの今でいうイタリアの古典歌曲、麗しのアマリッリなどの歌曲を造りだし歌詞をルネサンス音楽からバロック音楽への新しい潮流の作曲を始め、通奏低音を含めた新しい音楽のバロック音楽を作り出したのです。

 

その中でも、クラウディオ・モンテヴェルディが、ルネサンスの音楽であるマドリガーレと言う多声部音楽である合唱曲である作品と通奏低音と言うものを定着し、新しい音楽を造ろうとしていたのが、バロック音楽の時代です。

 

どちらにしろ、このバッハやヘンデルで終わる通奏低音を含む音楽は、はっきりとバロック音楽の時代と言え、古典派のハイドンやモーツァルトとは一線を画します。

 

そのあとには古典派の前に、前古典派という大バッハの息子たちの時代があり、ハイドンへとつながっていくのです。

 

もちろん、大バッハも19世紀にはメンデルスゾーンのマタイ受難曲の演奏により復活したと言われますが、彼の大バッハの出版楽譜による、平均律クラヴィーア曲集第一巻や第二巻やフランス風序曲等々多くの大バッハ作品は、忘れられてはおらず、常に19世紀にも、ピアノの練習用としての地位は築いていました。

 

ピアノ作品に限らず、モーツァルトの交響曲でも一番分かりやすい事例としてもちあげられるのは、41番の「ジュピター」の第四楽章です。ほかにもモーツァルトは多くの声部による対位法での音楽は捨て去っていないのです。聴きどころには、バッハの究極の対位法部分である、多くの声部のオーケストラでの掛け合い部分としての聴き所があります。

 

モーツァルトは、対位法を完全に捨てきったわけではなく、旋律重視の第一ヴァイオリンには、主旋律を弾かせる、ホモ・フォニーでありながら、その前の時代のフーガ的な部分での聴き所を造っています。

 

また、ベートーヴェンの交響曲第六番、「田園」でも鳥の鳴き声を模す部分があるのはご存知でしょう。これは、ルネサンス以降のバロック音楽でも、鳥の声を模倣する、例えば、ルネサンス音楽であるフランスの作曲家のジャヌカン作曲のその当時のシャンソンのマドリガルの「鳥の歌」を聴くと、これは、西洋音楽史の常々の伝統である自然と音楽との結びつきだとわかります。

ジャヌカン・アンサンブルで、昔クルト・ヴィスでもカウンター・テノールとして一員での録音があります。

 

ですから、古典派のハイドンやモーツァルト以前の前古典派時代バロック音楽の通奏低音の時代を経ての音楽という西洋音楽史の時代はもっと先に遡れるのであって、いっぺんにバッハやヘンデルになってしまうものではないことを知る必要があるのです。

 

今回は、もっと、バロック音楽の新しい演奏家の話でもしようかと思っていましたが、またの機会にいたしましょう。

 

中世・ルネサンス音楽とバロック音楽に関して、入門書には講談社現代新書による、皆川達夫氏による本が、平易であり、読まれることをお勧めします。

 

マルタンやガッティやエルヴェ・ニケを書こうとも思いましたが、筆の都合上、ハイドン以前に一度触れていくべきだとの見解に達し、書きました。

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