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2018年5月13日 (日)

モーツァルトの交響曲第31番「パリ」の聴き比べ~ベームとベルリン・フィル&クレンペラーとフィルハーモニア管弦楽団~

今日は、時間があったので久しぶりに、LPを取り出し、指揮者カール・ベームとベルリン・フィルとのモーツァルトの交響曲全集の中から、1968年の録音のそのドイツ・グラムフォン盤を聴いてみました。三楽章の短い作品なので、20分位の間聴いてみました。昔、買ったLPです。

ベームの透明な弦の響き、すっきりした構成美とドイツ的な構築感があり、聴いていても疲れない優れた録音です。また、第二楽章もすっきりとした中にも、楽譜の深い読み込みと作品に対するベームの巧みさと共に彼のモーツァルトの交響曲に対する姿勢が、如実にわかります。

大体においてさとちゃんが思うに、モーツァルトの交響曲を演奏する場合は、指揮者の第二楽章を聴けばある程度わかると思います。この第二楽章の緩徐楽章を上手く演奏できなければ、モーツァルトの交響曲を振る資格はないと言えると思います。

 

そういう意味では、この録音は、古い録音と言っても価値のある録音です。

ベームのこの録音を聴いて、手元にあるオットー・クレンペラーのEMI録音のスタジオ録音でも「パリ」を聴いてみようと思い昔買ったCDでのモーツァルトの交響曲集の4枚組中でのクレンペラー指揮のフィルハーモニア管弦楽団の1963年録音を聴いてみたくなり聴いてみました。

今、テスタメントのレーベルでおびただしい数のクレンペラーのライヴ録音などが発売されています。さとちゃんの世代よりももう少し前には、クレンペラーの人気は、非常に高く、結局来日はしなかったのですが、絶大な支持を集めていました。

不屈の精神で何度も事故や病気を乗り越えながら、感動的な音楽を造っていました。

昔はバロック音楽ばかり聴いていましたので、クレンペラーは聴いてみたことはなかったのですが、

ハイドンの交響曲の軍隊をアンタル・ドラティ指揮のフィルハーモニア・フンガリカの爽やかな颯爽とした解釈を聴いていましたが、ある方が、その軍隊を、クレンペラー指揮のフィルハーモニア管弦楽団で聴かせてくれました。非常に風格のあるハイドンの第100番の交響曲「軍隊」を聴き驚いたものです。

クレンペラーの重厚な音作りというもの、その当時のドイツのロマン的な音作りともいえるので、若い方は敬遠されるかもしれません。でも、基本的にはイン・テンポで、フルトヴェングラーのような恣意的なところはなく、一定のテンポは崩さないので、若い方には音作りには不満があっても、一時代を築いた指揮者でした。

なにしろ1920年代1930年代にベルクのヴォツエックなどのオペラやマック・ザ・ナイフで知られる三文オペラやシェーンベルクなどの現代音楽を指揮してきた人です。モーツァルトやハイドンなどお茶の子さいさいだったのかもしれません。

前置きがながくなってしまいました。モーツァルトの交響曲「パリ」のクレンペラー盤は、もう最初から重厚な響きで、ベーム盤とは違います。ベームのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団はすっきりした音作りですが、ここでもう、クレンペラーとの違いは判ります。

ベーム同様、楽譜の読みは深く、ちょっとした、第一楽章のピチカート部分を音楽に埋没させずに少し際立たせたり、非常に巧みな演奏です。またベームと違って第一ヴァイオリンを左に、第二ヴァイオリンを右に配置しているので、その19世紀のオーケストラの配置に従っているために対比ができ大変面白いとも言えます。昔よく聴いていた盤ですが、クレンペラーの音作りは、感動的な響きとも言えるかもしれません。ベームのさっぱりした透明な音造りのモーツァルトとも違い、重厚でありながら、第二楽章の恣意的ではないものの、非常に深い音楽造りをしているこの第二楽章も優れたものだとおもいます。

今ならもう古楽器によるホグウッドやピノック指揮の演奏もあり、新しいモーツァルト像を示してくれる指揮者が多いですが、昔の録音を聴いてみると、ベームにしろクレンペラーにしろ、名人指揮者だったなあと感慨深いものがありました。

若い方には古い録音では、ありますが、こうした録音も一聴に値すると思います。

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