記述に誤りがありますよさんへのさとちゃんの見解
ホロヴィッツは、ミス・タッチがありますよとの指摘ですが、聴いていてCBS盤への録音のステレオ録音のことでしょうか。あれは、テープによるつぎはぎ録音であって、もう自宅録音のステレオ録音ではそのように、ごまかすしかないのでした。
では、RCA盤ではどうでしょうか。ものすごい感情移入と度を外れた物凄いフォルティシモでした。
はっきり言って、ピアノのサーカス芸人と言っては言い過ぎですが、絶対につぎはぎ録音ではなく、1950年代のモノラル録音をぜひ聴いてみてください。
また、ミス・タッチのことですが、1983年にホロヴィッツが、初来日した時の演奏会を私も見て聴いています。実際には、あれは、悪い言葉で言えば老人性の認知症ではないかと思います。
医師に勧められた薬を多く飲み、楽譜通りではなく、勝手に創作したのか、弾いていたのを見てもう終わった人だとの感想を持ちました。
その時の有名な故吉田秀和氏は、感想として「ひびの入った骨董品」との評でした。
楽譜を弾けていないのです。
その後
そして、故吉田秀和氏は、「ホロヴィッツを聴くとほかの演奏家は聞けない」との意を述べています。
私たちの仲間うちでは、氏は、会社からカネをもらったんだとの見解に達しました。
そして儲けるためにレコード会社は、モーツァルトのピアノ協奏曲等の録音をしました。
そして間もなく、亡くなりました。
リサイタル・ツアーもしていますし、トスカニーニの娘婿として大昔の録音ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲をトスカニーニの出兵NBC交響楽団で、物凄い演奏で演奏してもいました。
ホワイト・ハウスにも招かれ、あの独特なピアノの音色を披露し、ツアーで相当もうけたのではないかと思われます。
でもホロヴィッツはホロヴィッツ。腐っても鯛だし、このような演奏のできる人は世界にはいません。
だからサーカス芸だという人もいる中、1950年代のカーネギー・ホールの半数は、おそれを抱いたピアニストばかりだという人もいました。
大体において、長年ピアノを弾いていくには指を水平に鍵盤を叩くそのホロヴィッツの音は驚異的なものですが、いくら何でもあの打鍵の強さで、そのように引いていたら、前述のように、ピアニスト人生が終わってしまいます。
よくホロヴィッツは、聴衆を最も恐れていたというほどの、ピアニストでありそうした意味で20世紀に名前の残るピアニストといえましょう。好き嫌いは問わず。
ロシアの音楽評論家で、コンペティションを受けず、成功した例は、ホロヴィッツとアイザック・スターンだけだとの見解を持つ人もいます。
もう一つ、ありましたね。水平に指をまっすぐ伸ばし弾いていくということは、コルトーが最初だとのご指摘。
もうEMIのGRシリーズの録音はご存じだろうと思います。
私はコルトーのショパンのワルツ全集をLPで昔買いました。ホロヴイッツはたぶん、スタインウェイだと思われますが、コルトーはプレイエルのピアノだと思いますが、もうボロボロの録音でありました。
弾き飛ばしはするし、ミスタッチはあるし、聴いていて情けなくなりましたが、コルトーの演奏はそれ以前のものとしてのSP吹き込みのほうが、テクニック的には安定しているのでしょう。
コルトーは、カザルスと組んでの、カザルス・トリオでの演奏を懐かしく思う人も多いでしょうか。
アルフレッド・コルトーの功績は、フランス派のショパン演奏を確立した人であるということです。
ある知人が言っていたように、SP録音でのそれ以前の19世紀でのパデレフスキーやパハマンのような解釈ではなく、テンポ・ルバートを多用し、音を転がせていくショパンは、戦後のスタイルとして新しいショパン像を示したということです。
それが今日まで続く、ポーランド派のショパンではなく、サンソン・フランソワやルイ・サダにつながるフランス派のショパンなのです。
また、コルトーはドイツ音楽としてのワーグナーの演奏をフランスに紹介した人であってドイツ音楽にも傾倒しています。だから、フランス人の中には、ワーグナーを嫌う人もいましたが、そうした進取の気性のひとでもあります。
Ikuyo Nkamichi さんに関しては私はもう見解を申し上げたくありません。
結局、二回もベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を録音したバックハウスのような偉人のような人が多くいた昔のピアニストのように綺羅星のように素晴らしい感動を与えてくれた人と比較することがもう間違っています。
鍵盤の獅子王と呼ばれた人は、毎日練習を欠かさない立派な人でしたが、ファン・クラブを作るような人ではありません。
要するに、今の演奏家は中庸の中堅のピアニストばかりになったのでその中では、優れているとの特選なのでしょう。
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コメント
コメントありがとうございます。記述に誤りがありますよさん。
仲道氏のピアノの運指法について、ホロヴィッツと似ているのではないかと書きました。
指をまっすぐにして弾くのは、コルトーが起源とされていますとのご指摘ありがとうございました。
コルトーのこの指をまっすぐにして弾くことに関しては、打鍵が弱いならそれでもいいですが、ホロヴィッツのような強さでは、長くピアニスト人生は送れないとも思います。
実際にこうした弾き方をまねするピアニストがいます。テレビでちょっと弾くだけですから、本当のピアニストではありません。そうしたホロヴィッツを真似したピアニストがあっても、ホロヴィッツではありません。
どんなピアニストでも真似では、オリジナリティーはありません。マネはマネにすぎません。
コルトーが起源であっても、今のフランスのピアニストがそうした弾き方をしているかというと疑問です。
とにもかくにもご指摘ありがとうございました。
投稿: さとちゃん | 2017年12月15日 (金) 22:15