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2017年5月 2日 (火)

NHK及びN響と文部省官僚と日本のクラシック音楽の演奏と受容のされ方

NHKでは、つい最近まで、Polliniを「ポルリーニ」と表記していた。
 既に、「ポリーニ」と表記するのが、慣例になっているのにかかわらず。
 同じように、Corelliを「コレルリ」と表記するのと同じようにである。
 文部省指導の音楽用語では、「コレリ」と表記する。
 また、NHKでは、既にお馴染みの「ピリス」を「ピレシュ」と最近、表記している。まるで、別人のように。知らない人は、別人だと誤解するだろう。NHKは、自分の考え方を曲げない。N響も同じである。かつて、小澤征爾氏を追放した、N響のコンサートマスターの海野義男氏のように。
 尾高忠明氏が、NHK FM放送でこう語ったのを聞いた。
 ある旧ソ連の指揮者の演奏解釈について「我々とも違う。」と言った。つまり、ここには、日本には、我々の演奏解釈がある。といっているのである。それの意味するところは、NHK
交響楽団が、日本におけるスタンダードである。尾高氏が、日本のクラシック音楽の演奏解釈のスタンダードであると言っているのと同じである。
 ここで、謎が解けた。日本には、厳然とした解釈というものが、存在しているのである。
もうお分かりだろう。
 N響が、誰が、振っても同じ演奏しかしないわけが。
 指揮者が、振っているのではなく、N響が、自分の基準で演奏しているだけなのだ。
 シャルル・デュトワが、来た。彼は、オーケストラ ビルダーである。モントリオール交響楽団を稀にみるような、世界に通用するオーケストラに育て上げた人物である。
 デュトワは、N響の団員にリハーサルで何度もダメだしをする。同じ箇所を何度も何度も繰り返して、練習させた。団員は、どこが悪いのだろうと演奏するが、デュトワは、繰り返し同じ箇所を演奏させた。
 この映像は、NHKのテレビ放送で流された。
 これを見た私は、N響が、変わるのではないか。と内心思った。
 でも、変わらなかった。彼が、来たことで、N響の会員は、前より増えたそうだ。でも、結局、N響は、何一つ変わらなかった。
 デュトワが、ラヴェルを振った。N響で。
 モントリオール交響楽団と同じ奇跡は、起きなかった。
 その演奏会を聴いた人のなかで、「やはり、デュトワが、振ると違うね。」と言ってのけたひともいたそうだ。日本におけるクラシック音楽の聴衆のなかには、そういったスノビズムが存在する。
 ある四重奏団が、来日したとき、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を演奏した。会場は盛り上がり、アンコール曲が演奏された。それを聴いていた聴衆が、「この曲は何と言う曲なのだろう。」と言っていたそうである。たった今、演奏された演奏会の曲目のひとつの楽章をアンコール曲にしたのにもかかわらず。
 日本の聴衆のなかには、そういった人もいるのも事実である。日本では、クラシック音楽を聴くという行為自体が、なにか高尚な行為であると、考えている人がいるのも事実である。クラシック音楽は、難解であり、それを聴く行為に、盲目的に、畏れをなす人もいる反面、前述したスノビズムを振り回す人もまた、少なからずいるのも事実である。
 N響を批判したら、N響の会員の人は、真っ赤になって怒り出すに違いないだろう。
 日本の聴衆で度重なる、海外演奏家の来日で、耳が肥えている人は、多い。
 皆分かっているのだが、NHKの番組のなかで、それを言うことは、できないのである。
 ゲストで出演している人も分かっていながら、それは、言えないのである。
 だから、クラシック音楽を聴いたことがないような人をアシスタントとして起用する。分かられるのが、困るからである。分かるようになってしまったら、番組から卒業させられてしまう。司会者は、分かっているのだが、自分の地位保全のため、言わない。もし言ってしまったら、日本の音楽界では、生きていけないから。クラシック音楽は、高尚で、理解し難い音楽だとしておいた方が、権威を保てるのである。かわいそうなのは、視聴者である。騙されている事に気づかず、誰も教えてくれない。只々ありがたい音楽を拝聴させて頂けるという意識を視聴者に植え付けるのが、狙いである。
司会者もいわゆる現代音楽を作曲することは、お金にならない事は、よく分かっていて、映画音楽等の作曲を今は、手がけている。日本では、クラシック音楽は、お金にならないのである。なにか話題性のあるものしか、売れないのである。音楽の本質などどうでも良いことで、ルックスやファッション感覚で、クラシック音楽は、高級感を醸し出す道具に過ぎない。美貌の演奏家であったり、話題性があれば、分からない人は、騙されてしまう。
商業主義に乗せられて、音楽の本質は、論点にない。売れたもの勝ちである。

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