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2015年6月23日 (火)

BS-TBS2015年6月23日火曜日PM7:00放送~日本名曲アルバムと日本語の声楽曲~

BS-TBSのこの日本名曲アルバムという番組は、放送のない場合もあり、今日はたまたま聴いたのですが、これは、日本の声楽、合唱のこれからの可能性というものを感じました。

 

さとちゃんのかつての知人で、音大の声楽科の大学院に進まれたので、声楽を教えればどうですかと聞いたのですが、とても、教えることなどできない。と言われたことがあります。

 

前に書いたことのくりかえしになるかもしれません。

 

思うに、今はどうか判りませんが、日本のオーケストラの年末のベートーヴェンの第九番の交響曲の最終楽章は、国立音大の合唱が多かったと思います。

 

実際に、合唱や声楽というと、ベートーヴェンならドイツ語ですし、イタリア・オペラを歌うなら、イタリア語です。

今は、大体が、字幕つきなので、舞台で見ても、意味はわかります。

 

でも、本当にその意味や発音が完璧にできる声楽家は、まれです。

 

大体、現在の日本の歌劇団である、二期会や藤原歌劇団でもソリストは、外国から連れてくる場合も多いです。

 

タイトルロールは、外人で、大体は、合唱や脇役となりましょうが、それでは、こうして音大の声楽科を卒業された方でも、二期会や藤原歌劇団に入団することも大変なことです。

ちょっと、ヴァイオリンが弾ける程度の人が、NHK交響楽団やプロの日本のオーケストラに入団するのもこれも大変なことと一緒です。

 

確かに、そういう方は、裕福なのだから。経済的に困らないというのも、理由の一つにあげられるかもしれません。

 

でも、せっかく、音大の声楽科を卒業したのなら、それを生かすことが出来たらと思います。

 

そうした方は、アマチュアでオーケストラや合唱団で活動するしかないのでしょうか。

 

ここに、この方たちは、日本人であり、日本語で難なく歌えるということ、そして楽譜が読めるということ音高さえ取れれば、楽譜を見ながら一人で練習もできるし、一般のカラオケ名人ではなく、西洋音楽としての、発声法としてのベルカント唱法ができる、声楽家であるということです。

 

ならば、それを生かせる一番の方法は、日本語の歌を歌うことです。

 

できれば、ソリストではなく、合唱という方法で、歌うならば、聴衆も聞き取れますし、童謡や文部省唱歌や歌謡曲をつまりは、日本の曲を多くの声楽家の合唱ならば、多くの人が、わかりますし、混声四部合唱等の編曲は必要ですが、かなりのインパクトがあると思います。

 

もちろん、ソロの歌手がいて、合唱が伴奏という贅沢なこともできることは前にも書きました。

この試みは、声楽を専門教育として選んだ方にとって、朗報だと考えます。

 

難しい、イタリア・オペラのアリアやドイツ・オペラを原語で歌うより、日本の歌を歌ったほうが、指揮者との練習は必要でも、もっと容易にできるでしょう。

 

カウンター・テノール歌手の米良美一氏は、古楽コンクールで優勝した、逸材ですが、鈴木雅明氏指揮による、バッハ・コレギウム・ジャパンのバッハのカンタータの録音であっても、ちゃんとドイツ語の辞書を調べ、歌唱したそうです。その頃は、まだ、声質としての声量が弱かった感じもありましたが、現在、テレビやCDで日本の歌を聴くと非常に達者に感情深く歌い上げています。

 

何も、古典としてのオペラやリートに固執することもないのです。ベルカント唱法で体得した技術を日本の歌で歌って何が悪いことがありましょう。

 

日本の明治の頃、今の文部科学省中にある、音楽取調掛という、西洋音楽を日本に移入する部門があり、アイルランド民謡が、日本の音階に近くそのために、多くの日本の歌詞をつけて、文部省唱歌としました。

 

また、明治・大正・昭和に作られ、今でも歌われる「花」もありますし、「この道」は、北原白秋の詩、山田耕筰の曲などの歌もあります。

そのほか、野口雨情の詩による、童謡など名曲といわれる日本の文部省唱歌や童謡は、数多いのです。

 

西洋音楽を取り入れた、その当時の明治政府では、西洋音楽ではドイツ音楽を主流に日本に根付かせようとしました。

ということは、文部省唱歌は、ドイツ・リートを頭において作られたのだろうと考えてもおかしくありません。シューベルトやシューマンの歌曲をもとに日本流に文部省唱歌を考えて作ってもきっとおかしくないはずです。

当然、ドイツ・リートの日本語詩もあります。

戦前の歌謡曲の歌手でも、戦前の故淡谷のり子さんや故藤山一郎さんでも、当時の日本の音楽学校を卒業した、その歌唱は、達者なものです。

童謡や文部省唱歌は、歌謡曲を歌うような、由紀さおりさん姉妹のような、歌唱の方がよいような気がしました。もちろんそれでも良いかもしれません。

でも、文部省唱歌が、日本のリート(歌曲)ならば、声楽家が歌ってもよいではないかという視点もあります。

事実、過去にソプラノの鮫島有美子氏と夫のヘルムート・ドイチュのピアノによるデンオン・レーベルの録音もありました。

合唱の混声四部合唱なら、もっと、多くの深みがあり、声楽家の活躍する機会も増えるとおもいます。

ところで、最近は歌番組が増えましたが、似たコンセプトで、BS日テレで、月曜日の夜九時から、BS日本・こころの歌という番組があります。これも、達者な声楽家ですが、男女合わせて10人くらいの方たちです。

でも、マイクをつかっているので、声楽家など音楽家はみなそうですが、他の人の声量や歌い方に合わせるために、自分の声量を抑えるために、マイクをかなり、離して歌っています。

逆にマイクがあることが、歌唱への妨げになるようで、これで、マイクなしで合唱をやることもありますが、なるべくなら、マイクなしで歌う機会を増やしてほしいというのが希望です。

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