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2012年7月29日 (日)

特選オーケストラ・ライブ N響コンサート ミュージックトゥモロー2012 2012年7月29日(日)放送 午前6時00分~7時55分 マクミラン指揮N響

マグヌス・リンドベルイというフィンランドの現代音楽の作曲家による作品「パラダ」ここから、ジェームズ・マクミラン氏の指揮が、冴えてくる。

透徹した響きを、このオーケストラから、引き出している。

こうした、冷ややかな透徹した響きは、北欧の作品には、ふさわしい。

指揮のジェームズ・マクミランの本領が、冴え渡り、北欧の作品として、弦をそうした響きにまとめていることに好感を持つことができる。

このオーケストラは、ここ最近の演奏を聴くと、弦が、黒い響きであって、よくよく聴いてみると、その音色を、シャルル・デュトワの指揮の時代から変えなかった。

今回のこのオーケストラの響きが、シベリウスの作品にふさわしい、透徹した響きも作り出せるのであれば、これは今までにない。マクミラン氏の指揮に、忠実に従えるならば、どうして過去にフランス的なラテン的音を、頑なに拒んだのだろう。


まるで、素のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のような弦の音色が今のN響の音であり、ドイツ系統ロマン派、国民学派にはよいであろうかもしれない。

ただ、このオーケストラは、かつて、現在の桂冠指揮者のヴォルフガング・サヴァリィッシュの壮年時代には、透徹した響きの弦であったこともある。

前に書いたように、そうした、弦の冷徹な響きが、かつての、サヴァリィッシュ氏の時代には、ある意味では、ドイツ古典派ロマン派の楽譜に忠実な禁欲的演奏として別の意味でドイツ作品には合ったことを思い出す。

もし、この管弦楽団が、そうした、様々なカラーを出す力量を持っているのなら、指揮者によって、もっと柔軟に対応すべきであって、それでよいのである。

ベルリン・フィルには、まず最初に指揮者に対して、どんな色感の音が、欲しいのかを聞いてから、音楽作りが出来る、世界最高の機能性をも持ち合わせていることを当たり前のように、している。


このN響という管弦楽団もそうした、ドイツ的ロマン性ばかりの現在の、黒い音色だけでなく、多くの指揮者の要求に答える力量を兼ね備えたならば、ベルリン・フィルのような、指揮者の音色の要求に答える柔軟性を持てるならば、世界にも通用しよう。


そういった意味で、リンドベルイとマクミランで、見せたあの音色は、マクミランの指揮に、答えたのであろうが、佳き演奏と言えるだろう。

ところで、尾高惇忠氏の作品は、とある賞を授けられているが、この作品は、かつての現代音楽的手法であって、21世紀の新しい独創性を感じられる作品とは、聴いていて思えなかった。

 そうした意味では、新しい、現代音楽の作品としては、最後の作曲家のリンドベルイと指揮兼作曲家のジェームズ・マクミランの作品の方が、新味がある。

演奏中にオーケストラの団員にドイツ語で、1,2,3,4と言わせてみるような手法は、比較の対象にはならないが、ウィンナ・ワルツのヨハン・シュトラウスの作品のポルカ「憂いもなく」での弦楽器を弾きながら、「ハ、ハ、ハ」と笑い声を出させる、手法とも似ている。

また作品の中で、ドイツ語での短い語りがあるというところも、興味深い。

リンドベルイとマクミランの両作品ともに、聴いていて、作品自身が、その前に演奏された尾高作品よりも、独創性にとんでいる。最後のマクミランの作品、バイオリン協奏曲では、1990年のチャイコフスキー・コンクールのヴァイオリン部門の覇者、諏訪内晶子氏の登場である。

諏訪内氏のヴァイオリンも、透徹した響きを、マクミランのバイオリン協奏曲では、出しており、前に聴いたことのあるロマン的な音色の演奏ではなく、マクミランの要請に従ったのだろうか、そうした演奏に徹していた。

ただ、惜しむらくは、このマクミランのバイオリン協奏曲では、諏訪内氏のヴァイオリンは、大変にしっかりしたテクニックもある演奏であって、彼女自身の確かな演奏であっても、そのヴァイオリンを、指揮としてのマクミランが、合わせられない部分が多くあるのは、たいへんに残念なことでもあった。

確かに自分の作品であるが、マクミランは、指揮としてのオーケストラの演奏だけに専念していて、バックのオーケストラ部分はよいのであるが、バイオリン協奏曲としての諏訪内氏の佳き演奏が、管弦楽の指揮とヴァイオリンが、合わないために、協奏曲としての競争的な作品の妙味に欠ける点が、惜しい。


逆に、管弦楽に合わせてヴァイオリンを弾いてもらいたかったのが、マクミランの意図したところなのだろうか。

ところで、この日曜日午前6時の放送時間というものは、休日とはいえ、大部分の視聴者には、きつい時間帯と思われます。そして日曜日の今夜、明日月曜日となる0時半より、ウィーン・フォルクス・オパー公演で、レハール作曲のメリー・ウィドー等をNHK BS プレミアムでは放送する予定だそうです。録画でもしなければ、長丁場の放送は、聴けません。



また、NHKホーム・ページに準拠する演奏者、演奏曲目を書いて付け加えておきます。

NHKでは、諏訪内氏を諏訪内晶と書いていますが、諏訪内晶子が、正しいと思います。


莫 囂圓隣之大相七兄爪謁氣~オーケストラのための(2012)[N響委嘱作品・世界初演](法倉雅紀)

交響曲~時の彼方へ~(2011)(尾高惇忠)

パラダ(2001)[日本初演](マグヌス・リンドベルイ)

バイオリン協奏曲(2009)[日本初演](ジェームズ・マクミラン)

<出演>N響 指揮:ジェームズ・マクミラン バイオリン:諏訪内晶(2012629/東京オペラシティ・コンサートホールにて収録)

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