2018年5月14日 (月)

ブロムシュテット特集 2018年5月13日放送Eテレ~その演奏について~

久しぶりに、ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とバンベルク交響楽団が聴けるとあって、Eテレを見てみました。

ブラームスのブロムシュテットによるドイツ・レクイエム。

聴いてみて、ソプラノ歌手やバリトン歌手は割と歌唱もよいとの感じを受けました。

ただ、ブロムシュテットの指揮によるドイツ・レクイエム。悪くはないもののそれほど、感動を受けるものでもないような気がします。何か流れるままに演奏され悪い演奏ではないかもしれませんが、何かを訴えるような音楽とは思えませんでした。

聴いていて、もっと心に訴えかけるような演奏を期待していたのですが、気をそがれたような気がしました。

普段は、FMでもテレビでの演奏や、行ったコンサートで、あまり感動を受けなかったときは、書かないことにしているのですが、そのあとのバンベルク交響楽団とのブロムシュテットのベートーヴェンの交響曲第5番「運命」についての意見を述べさせてください。

なぜ、ブロムシュテットは、名門バンベルク交響楽団に古楽奏法を強要するのでしょうか。

前から、大きなダイナミック・レンジを持つ現代の楽器である現代オーケストラに古楽奏法を強要するのでしょうか。

何度も言っているように現代オーケストラは、現代のヴァイオリン、19世紀以来の大きな音量が出る特徴を生かして、例として指揮者のカラヤンでも驚異的なフォルティシモを持っていたし、ピアニッシモも出せるそのダイナミック・レンジの広さにおいて無限の可能性を持つものです。

18世紀のバロック音楽やモーツァルトの時代までの古楽器のコピーやオリジナルのその当時のバロック・ヴァイオリン等の古楽器によるバロック・オーケストラとは根本的に違います。

かつての20世紀の時代には、古楽のブリュッヘンは、現代オーケストラも古楽奏法をすべきだとの主張持っていました。またアーノンクールも数々のアーティキュレーションを駆使し、それが的を得た演奏か否かは別としてその影響を受けた一般の指揮者も多く指揮者のコウトもそうでした。

レオンハルトについては、バロック・オーケストラには、そうした主張をしていましたが、現代オーケストラに古楽奏法を強要することはなかったような気がします。

どちらにしろこの三人は、もう亡くなってしまいました。何も現代オーケストラに音量を抑えて、演奏させる必要がどこにありましょう。

現代ヴァイオリンなのだから、ほかの楽器も20世紀の19世紀の大きなホールでの演奏会での演奏に耐えられるような、ストラディヴァリウスであっても、17世紀に造られたバロック・ヴァイオリンに改造して大きな音量を出す改造をしているので、大きな音量が出るのです。

それをバロック・オーケストラのような、こじんまりした音量にしてしまうのは、もったいないと考えるのです。

それならば、バロック・オーケストラで、古楽奏法を行えばよいのです。いくらでも、古楽器を使ったバロック・オーケストラはあるのです。そうしたバロック・オーケストラ常設のものも多くありますから、普通の現代オーケストラを指揮していた指揮者でもいくらでも振ることはできるし、古楽奏法は、バロック・オーケストラなら当たり前のことなので、その方が良いとおもいませんか。

せっかく大きな音量を出せる現代オーケストラなら、普通の20世紀のようにビブラートを多く使って美しい大きな響きを造るべきではないでしょうか。

指揮者が、そんなに古楽奏法にこだわるのなら、常設のバロック・オーケストラで演奏すれば問題はありません。ピッチの問題はありますが、その方が自然ではないでしょうか。

オイゲン・ヨッフムの指揮による、バンベルク交響楽団は本当に素晴らしいしぶい弦を持った良い現代オーケストラでした。その音が聴きたかったのに、ブロムシュテットによる演奏は古楽奏法そのものでした。

現代オーケストラに古楽奏法を強要することは、その現代オーケストラの20世紀の伝統的な音楽演奏としていた指揮者の勝手な、その当時の音を再現するために、奏法をまねるだけのものであって悪しき演奏法だと思います。

安易に現代オーケストラに古楽奏法を強要するのではなく、それが新しい潮流だと言いたいのでしょうが、当時の楽器の古楽器を使いその当時の美意識、良い趣味による、当時の音楽を再現することが、オリジナル主義と言われる、ブリュッヘン、アーノンクール、レオンハルトなど多くの古楽器奏者による一つの理想でした。

皆さんは、現代オーケストラに古楽奏法をさせて、古楽器のバロック・オーケストラのような響きやアーティキュレーションを様々に変えることが、新しい潮流だと言われる方もありましょうが、このことは誤りだと思います。

現代オーケストラとバロック・オーケストラとは根本的に違う楽器なのだから、指揮者のサイモン・ラトルにも、18世紀のラモーを演奏するなら、ベルリン・フィルではなく、バロック・オーケストラで実験してもらいたいとも思います。

現代オーケストラとバロック・オーケストラとの棲み分けはするべきだと思います。

NHKに準拠する演目を添えておきます。

20185月13日(日)放送
ブロムシュテット特集★
<ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団「ドイツ・レクイエム」演奏会>


2017年NHK音楽祭の公演。Eテレ初登場です。
名演と評判を呼んだ、巨匠渾身の「ドイツ・レクイエム」をどうぞ。

■ドイツ・レクイエム 作品45(ブラームス)

ソプラノ : ハンナ・モリソン
バリトン : ミヒャエル・ナジ
合 唱 : ウィーン楽友協会合唱団
管弦楽 :ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指 揮 : ヘルベルト・ブロムシュテット
(2017年11月13日 NHKホールで収録)


<バンベルク交響楽団演奏会から>

■交響曲第5番ハ短調 作品67(ベートーベン)

管弦楽 : バンベルク交響楽団
指   揮 : ヘルベルト・ブロムシュテット
(2016年11月1日 愛知県芸術劇場コンサートホールで収録)

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